あなたの夢は何ですか
「あなたの夢はなんですか?」
人生のいろいろな場面で問われる言葉だ。
子どものときはもちろん、大人になってからも結構聞かれる。
夢がないことがコンプレックス?
子どものときは「大人になったら○○がしたい!」
成人したら「就職したら○○がしたい!」
就職してからも「出世したら○○がしたい!」
多くの人は夢を持って生きている。
そんな風に自分の夢をはっきり答えられるだろうか。
20代の大部分、ぼくにはできなかった。
同じようにそんな夢のない生活を送っている人はいないだろうか。
ぼくには夢がなかった。
「宝くじで7億円当てたい!」とか、「不労所得で働かずに食べて生きたい!」なんてバカ話は友達とよくする。
でも、そんなものはただの願望であり、夢ではない。
それに、上記の夢が行き着く先は「働きたくない、なにもしたくない」という否定形。
ものすごく消極的な願望である。
夢がないことはちょっとしたコンプレックスだった。
高校の同級生は芸能人になる夢を叶え、いまでもテレビでよく目にする。
仕事をやめ、ゲイバーのママになった友達は悩みながらも毎日楽しそうに働いている。
自分の技術を高めフリーランスになった奴、趣味の写真で賞を撮った奴。
そんな中、ぼくには何もない。夢中になれるものも、他人に薦めたくなるほど熱心に好きなものもない。
就職活動では、とりあえず有名な企業に片っ端からエントリーした。
誰もが知っているような企業に入れば、とりあえずは人生安泰だろうなんていうふざけた考えを持っていた。
結果は惨敗。のちのち考えれば当たり前のことである。
企業がほしいのは「会社に入って、やりたいことを持っている」人材である。
就職活動はそのスタートラインに立つための準備運動に過ぎない。
それでも生きていくためには働かなくちゃいけないし、とりあえず受かった会社に入社した。
給料はそれなりにもらえるし、友達と飲んで騒ぐ週末は何も考えずに楽しい。
そんな風に、なんとなくでこれまで生きてきた。
そんなぼくも自分の人生にしっかり向き合うときがきた
「ええっ、ぼくって生産性ないの…。たしかに子どもはつくれないけど、ちゃんと仕事をして税金も払ってるし。毎週のように何万円も飲み代に消えてくんだから、酒税なんかめちゃくちゃ収めてるやんけ!」
まぁこのLGBT批判も、やり方はまずかったがわからなくはない。
多様化する社会においても、一つの意見として尊重されるべきである。
そんなことは置いておいて。
当事者として、ちょっぴり悔しかったのである。
だれにでもこうしたきっかけはそこら中に転がっていると思う。
結婚や出産だって大きなきっかけのひとつだろう。
なんでもいい。
なにか心にしこりを感じたなら、それは自分とちゃんと向き合う チャンスとタイミングである。
ぼくも改めて自分と向き合った。
やりたくないことはいっぱいあったが、なかなかやりたいことは出てこない。
悩みに悩んで、あるときふと気がついた。
やりたくないことをやらなくて良くなるための方法を実践することだって、立派な夢なんじゃないか?
またまた考えぬき、やりたくないことをすっかりそぎ落として、残ったぼくの夢がこちら。
・自分の力で食べていけるようになりたい。
ざっくりとした夢だが、大きな夢が見つかるとさらにあんなことがしたい、こんなことがしたいとどんどんに思い浮かんできた。
・雇用を生み出し人生に悩むLGBTの若者の居場所をつくりたい。
・儲かったら、大好きなカレーとアイスのお店を出したい。
・時間の自由が利くことになることで、余暇をもっと楽しみたい。
考えているうちに、いままでは夢がなかったんじゃないと気づいた。
夢をかなえるための苦労を「やらない理由」を探していただけだけなんだと思う。
「どうせ叶わない」「周りからバカにされるだけだ」と心の奥にしまいこんでいただけ。
夢さえ見つかればあとは簡単。
夢から逆算して必要な目標を設定するだけだ。
ぼくは夢をかなえるための具体的な行動として、
・資格の勉強をするようになった。
・副業をはじめた。
・そのために必要な技術(写真の編集とかね)の勉強をはじめた。
・昔からなんとなーく好きだった、絵を描くことに真面目に取り組みはじめた。
・他の人になにかを残すために、ブログをはじめた。(それなら生産性もあるよね…?)
いまでは新しくはじめたことだけで休日丸一日がつぶれてしまうくらい忙しくなったが、その分めちゃくちゃ充実している。
なんでもっと早く自分の夢に気づいてあげられなかったんだろう。
なんでもっと早くから行動に移せなかったんだろう。
そう思わないこともないが、心に言い聞かせて頑張っている。
今日が残りの人生において一番若い日。
何を始めるにも、遅すぎるなんてことはない。
夢がなくて困っている人、目標が持てず漫然と過ごしている人。
・やりたくないことをやらなくてすむために必要なこと
・ほんのちょっとでも、やりたいな、叶えたいなと思ったこと
一度考えてみてほしい。
好きなことがないな…と悩む人もいるかもしれない。
でも、例えばお肉が好き、とかなんとなくアニメは毎期チェックしてるな、とかそういう小さなことは誰にでもあると思う。
それはもう立派な「好きなもの・好きなこと」である。
好きだからといって専門家並の知識がないといけないわけではない。
プロ級の腕前を持っていなければいけないわけではない。
すこしでも好きだと思うことは、胸を張って堂々と「好きだ!」言ってしまおう!
ぼくは質問にも胸を張って答えられるようになった。
てな感じに、たまには真面目な話を。笑
「あなたの夢はなんですか?」