ファイナルファンタジーⅤが教えてくれたこと
ファイナルファンタジーⅤとは
ファイナルファンタジーVは、1992年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)が
発売したスーパーファミコン用ソフトである。
ファイナルファンタジーⅢで好評を博したジョブシステムを発展させ、キャラクター
育成の自由度が非常に高いことが特徴。
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ストーリー
風・水・火・地、4つのクリスタルにより豊かになった世界。
しかしある日突然、風がやんでしまった。さらに突然、隕石も降ってきた。
主人公バッツが駆けつけると、女の子と老人がモンスターに襲われていた。
モンスターを退けるバッツ。話を聞いたところ、女の子はタイクーン城を抜け出した
王女レナだという。風が止まった原因を調べるため、風の神殿に向かわなければならない。
そう語る彼女に、隕石衝突のショックで記憶喪失となった老人・ガラフも
同調、連れ立って風の神殿を目指す。
道中、海賊の頭ファリスを仲間に加えついに風の神殿へたどり着く。
そこで見たものは、クリスタルを破壊するレナの父、タイクーン王の姿であった。
「このままでは、他のクリスタルも危ない!」
4人の勇者は改めてクリスタルの破壊を防ぐため旅立つのであった―――。
なお、最終パーティは主人公・バッツのハーレムパーティである。
エピソード
小学生高学年にもなると田舎の我が家にもハイテク化の波が押し寄せた。
そう、インターネットの開通である。
乗るしかないこのビッグウェーブに、と鼻息荒く。
そう。エロ画像発見の旅への出発である。
画像が下から徐々に表示されるあの高揚感ともどかしさ。昔はインターネットの速度が遅く、一枚の画像を表示するにも結構時間が掛かったのだ。全部表示されると、とりあえず一度インターネットの接続を切ってからオフライン接続でゆっくりじっくりと眺めるのである。
ネット定額制なんて甘えたものは存在しない時代。オフライン表示を活用しなければ電話代があっという間にとんでもないことになってしまうのである。
ご多分に漏れず、ぼくも親にこっぴどくしかられたのであった。
さて、インターネットの力を手にしたぼくは、エロだけに飽き足らず、ゲームの攻略情報を探すことにも夢中になった。
そこで何よりも心をときめかされたのがファイナルファンタジーⅤの裏技・武器増殖による「チキンナイフ2刀流」である。
さっそくファイナルファンタジーⅤをひっぱり出してきたぼくは、チキンナイフ2刀流を存分に楽しむべくさいしょからゲームをはじめた。
まずは下準備として、全ジョブをマスターするという苦行にうってでたのである。
また、弟であるぼくには自由にゲームをする権利などなく、日曜日は朝6時には起きて、兄が起きるまでしこしことレベル上げをする日々が続いた。
いまでもバル城の地下を夢に見る。レベル5デスのサクサクたのしいれべるあげを知らない、哀れな男の夢だ。
もちろん嘘だ。
ストーリー後半戦までになんとか全員にジョブをマスターさせることができた。
いまこそチキンナイフを量産する秋(とき)!
いまとなってはあまり思い出せない不思議な手順を踏み、「えふえふ」なる謎アイテムも大量発生させながらも、ついに全員にチキンナイフを2二刀流させることに成功したのであった。
クリスタルのかけらに眠る勇者のこころもさぞかしがっかりしたことだろう。
勇ましさとは一体。。
さて皆様ご存知の通り、ファイナルファンタジーⅤには2体の裏ボスが存在する。
超古代文明が作った最強の殺戮マシン・オメガとその追っかけ・神竜である。
もうここまできたらすでに怖いものなどなにもない。
ラストダンジョンを徘徊しているオメガにケンカをふっかけるだけだ。
いざ、尋常に勝負!とばかりオメガにつっこんでいく。さすが隠しボス、無駄にシンボルエンカウントである。
まずは全員が魔法剣サンダガ、そして必殺二刀流が火を噴くのであった。
1ターンでゴゴゴゴゴ…というSEとともに塵となるオメガ。
あまりの強さにぼくはニヤニヤと気持ち悪い笑顔をつくり、誰もいないのにダブルピースをキメた。
ような気がする。
そして同時に、この世界に強敵(とも)がいなくなってしまったことを悟った。あまりにも強大な力とは、往々にして孤独を伴うものである。
というわけで、ファイナルファンタジーⅤがぼくに教えてくれたことは
「不正をして手に入れた力は、ふるっても虚しいだけ」
ということである。
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